• 読者の皆様は、百万円が手に入ったら、何をするだろうか。

    パッと思いつくところでは海外旅行。あるいは珍しいペットを飼ったり、長年の夢をかなえたり……中には借金を返す、なんていう方もいらっしゃるかもしれない。
    どちらにせよ、何かを行うのに百万円は十分すぎる金額だといえるのではないだろうか。

    そんな人生を左右するに足る大金を手に入れた幸運なサイコミユーザーが、一人。
    彼は一体どんな風に、その百万円を使うのだろうか……?

  • 登場人物

    某日


  • 日々サイコミで馬鹿なことをやらかしては怒られているさつきとあべしん。
    彼らは突然の呼び出しをうけ、編集部の一角に集まっていた。彼らの前には、サイコミの編集長である葛西が、いつになく真剣な表情で座っている。


  • 戦々恐々とする二人に、葛西は重々しく問いかける。


    葛西
    「二人はさ……百万円あったら、何をする?」


    葛西はそういうと、机の端に置かれた小さな金庫に視線をやった。


  • あべしんさつき
    「え?」


    葛西の質問の意味が分からなかったのか、二人は頭に疑問符を浮かべる。
    が、考えても仕方ないと、素直に返答した。


    あべしん
    「俺はまあ、引っ越しですね……ペットが飼えるマンションで、猫とか犬とか飼いたいんですよ。今、家に帰っても一人で寂しいんで」


    さつき
    「あべしんさんの使い方、めっちゃ普通ですね……
    俺は借金を返して、残った分で遊びに行きますね。パーッと! 夜遊びです!
     多分、一週間もあれば使い切れるんじゃないですか?」


    あべしん
    「で、葛西さんはどう使うんですか?」


    葛西
    「まあ、俺のことは置いておいて……二人が高校生の頃だったら、どう使ってた?」


    さつき
    「高校の頃ならそれこそ遊びですね! 真面目に生きるのが馬鹿らしくなる金額ですし!」


    あべしん
    「百万円がなくても真面目に生きてないじゃないですか……まあでも、遊ぶのに使うっていうのそうですね。二ヵ月もしないでなくなってたんじゃないですか?
     で、確認なんですけど……どうしてそんなことを聞くんです?」


    さつき
    「もしかして、くれるんですか!?」


    都合のいい発想をするさつきをスルーし、葛西はその口を重々しく開く。


    葛西「サイコミの読者に、百万円を手に入れる高校生がいる」


    その発言に驚愕の表情を浮かべる二人を見ながら、葛西は説明を始めた……

  •  


  • 事の始まりは、サイコミが三周年記念企画の一つとして行った「キャッチコピー大募集キャンペーン」だった。サイコミを新たに牽引するフレーズを読者の皆様から募集したこの施策に集まったキャッチコピーはなんと


    8907件。

    サイコミの開催したイベントでも最大規模となったこのキャンペーンで、見事サイコミ編集部の、ひいては葛西の心を射止めたキャッチコピーこそが、現在サイコミの起動画面に表示されている……

    「ガッツリード!!!」

  • そして、サイコミを次へと牽引していくこのキャッチコピーの発案者こそが……
    この日、幸運にも百万円を手に入れることになる、一人の高校生なのだった。

  •  


  • さつき
    「そういえば、そんなキャンペーンやってましたね……」


    あべしん
    「あ、葛西さんが百万円を届けに行くんでしたっけ!」


    葛西
    「そう。二人はただの手伝いではあるけど、高校生に、サイコミってちゃんとしたところなんだなって思ってもらいたくて、スーツを着てきてもらったんだ」


    さつき
    「いいですねー。百万円を手に入れる高校生! 控えめに言ってくそ羨ましい……」


    あべしん
    「さつきさん。そういうのは思ってても言っちゃダメです。今の話聞いてました? サイコミがちゃんとしてるってことを伝えなきゃいけないんですよ?」


    葛西
    「さつきは置いていった方がいい気がしてきた……」


    さつき
    「あ、俺いかなくてもいいんですか? やったー! スーツ脱いじゃいますね!
     暑いし動きづらいしで最悪だったんですよ……上半身裸で過ごさせてもらいます!!」


    葛西
    「裸になるくらいならついてきて貰うよ……」


    目を離すと何をしでかすかわからないさつきに、葛西は頭を抱えるのだった。




  • さつき
    「あ、出発する前にお願いがあるんですけど……」


    説明も終わり、出発時間までは待機となったところで、さつきがそう言った。
    この時点ですでに嫌な予感のする葛西とあべしんだが、ひとまず先を促す。


    葛西
    「なにかな?」


    さつき
    「一目でいいんで、百万円を見せて欲しいんです。一生の思い出にしたいので」


    葛西
    「……まあ、見るだけなら」


  • さつき
    「うっわー……生で見ると、すっげぇ……盗んで帰りたいな」


    不穏な言葉をつぶやくさつきの手が、静かに伸びる。向かう先はもちろん、百万円。


  • さつき
    「もらったぁぁぁあああああああ!!!
     百万円、ゲットだぜ!!!」



    あべしん
    「しまった!! さつきさんが暴走している!!」

    葛西
    「あべしん抑えて! 取り上げるから!」

    あべしん
    「はい!」





  • 失言と暴走を繰り返すさつきに向けられる、あべしんと葛西の冷ややかな目線。その温度に流石に危機感を覚えたのか、さつきは平謝りしていた。


    さつき
    「本当にすみませんでした……お詫びのしようもございません……
     今日は編集部で一人、スーツで過ごします……」


    あべしん
    「別に、スーツは罰ゲームとかじゃないですけど……」


    すっかり意気消沈しているさつきの姿に、付き合いのいいあべしんはやはり、憐れみを感じてしまう。今までのサイコミコラムではまさに相方といった関係だった二人。その関係性ゆえか、あべしんは再び葛西に頭を下げ、懇願する。


    あべしん
    「葛西さん……俺、今度こそちゃんと監督役しますから……連れて行ってやって下さい。
     その、さつきさんは立ってるだけ、みたいな感じで……」


    葛西
    「……まあ、あれだよね」


    あべしんの言葉に何かを考えながら、葛西が口を開く。


    葛西「盗もうとするってことは、盗もうとする人の気持ちがわかるってことだよね」


    あべしん
    「か、葛西さん……いいんですか!?」


    さつき
    「えっと、その、つまり……?」


    あべしん
    「つまり、さつきさんも同行していいってことですよ!」


    葛西「百万円を盗もうとしてる人を見たら、さつきなら『あ、こいつ盗もうとしてるな?』っていうのがわかるでしょ? 自分も盗もうとしたくらいだし……
    ただし、絶対に百万円には触るなよ」


    許可を出した後、厳しい顔でさつきを睨みつけた葛西が、ふと思いついたようにあべしんに尋ねる。


    葛西
    「せっかくだし、あべしんも触ってみる? 百万円」


    あべしん
    「いいんですか!? そ、それじゃあちょっとだけ……」


    葛西からの思わぬ提案に、恐る恐る百万円に手を伸ばすあべしん。


    あべしん
    「これは確かに、凄い……な、なにか魔力のようなものを感じます……」


  • あべしん
    「うひっ……うへへ……」


    百万円を手に取ったあべしんの口から、ゆがんだ笑い声が漏れる。
    そして、次の瞬間……


  • あべしん
    「この百万円、いただいていきます!!」


    言うや否や走り出していくあべしんに、葛西の反応が追い付かない。だが、その体を押さえつける人影があった。言うまでもなく、さつきである。


  • さつき
    あべしんさん! それは俺のです!」


    あべしん
    「俺が、俺が貰ったんだ!!!」


    葛西
    「どっちのでもない!!」


    暴走する二人をなだめる頃には、葛西の体は疲れ切っていた――


  • あべしん
    「申し訳ありませんでしたっ!!」

  • あべしん
    「俺もさつきさんも、百万円には触りませんので! お許しいただけないでしょうか!!」


    葛西
    「……」


    百万円という大金は、容易に人を狂わせる。そのことを、葛西は身をもって知った。
    だからこそ、護衛が必要なのだ。そしてそれには、百万円の恐怖を体感したあべしんとさつきが適任なのではないか……そう考え、葛西は自分を納得させる。


    葛西
    「本当に、絶対触るなよ……?」


    渋々といった体で、葛西は同行の許可を出した。
    その言葉に目を輝かせたあべしんだが、すぐに真面目な表情を作ると、さらに頭を下げる。


    あべしん
    「ありがとうございます! 自分はもちろん、さつきさんもコントロールして見せます!」


    葛西
    「うん、まあ……よろしく」


    どうにも不安の拭い去れないパーティーの、結成の瞬間だった。
  • ~某日午後~


  • 会社を出てから一時間少々。三人は、ユーザーご自宅の扉の前にいた。


    さつき
    「しかし、どんな人でしょうね。ユーザーさん」


    あべしん
    「キャッチコピー的に考えると、案外体育会系なんじゃないかなって気もしますね」


    さつき
    「あー……苦手なタイプですねえ……」


    葛西
    「二人とも黙ってて。もう、ここからは真面目に」


    緊張とは無縁の二人に肩の力を抜かれつつも、葛西はインターホンを押す。


    三人を出迎えたのは、一人の少年だった。
    彼こそが、サイコミを引っ張っていく新キャッチコピー『ガッツリード!!!』の生みの親。
    タロまる氏である。


    葛西
    「この度は、キャンペーンへのご応募、ありがとうございました。
     前もってお伝えした通り、タロまるさんの考案してくれたフレーズ『ガッツリード!!!』がサイコミの新キャッチコピーとして採用されましたので、わたくし共が直接お礼と、賞金の百万円をお渡しするべく参りました」


    さつき
    (葛西さん、めっちゃ真面目ですね……)


    あべしん
    (よくあんなにすらすらと言葉が出てきますよね……さすが編集長)


    後ろでひそひそと話す二人に後で説教をすると心に決めつつも、葛西は続けてタロまる氏に話しかけていく。その姿はまさに、一人の大人。熟成された社会人だった。


    葛西
    「まずは、百万円受け渡しに際しての諸手続き……
     の、前に。一度、百万円の実物をご覧になっておきたいですよね?」


    タロまる
    「は、はい! できれば見せてもらえると嬉しいです!」


    未だに緊張のほぐれていないタロまる氏の反応に、葛西は今日何度目かの苦笑を浮かべた。
    そのまま、鞄から金庫を取り出すと、机の上に置く。


    葛西
    「では、ご対面と参りましょうか」


  • 葛西
    「こちらが、百万円です」


    タロまる
    「初めて見ました……」


    葛西
    「ちなみになんですけども」

  • 葛西
    「立ちます」


    タロまる
    「すげぇ! あ、いや、凄いです!」


    さつき
    (その気持ち、めっちゃわかる……)


    あべしん
    (盗もうとしたくらいですもんね……俺もですけど……)


    葛西
    「そこ二人、静かにする!」


    あべしんさつき
    「すいません……」


    葛西の一喝にうなだれる二人。その姿を見て、今度はタロまる氏が苦笑する。


    タロまる
    「やっぱり、大人になっても百万円って珍しいですか?」


    葛西
    「そりゃあもう。人生を簡単に変えられる金額ですからね……」


    タロまる
    「そうですよね……大事に、使わないとなあ」


    あべしん
    「大人だ……さつきさんとは大違い……」


    さつき
    「永遠の少年なんで」


    しっかりとした考えを述べるタロまる氏にくらべ、どうにも常識や考えの足りていない言葉を言い放つ二人に、葛西は内心で頭を抱える。この二人を連れてきたのは、やはり失敗だったのだろうか……そう思うと、自然に謝罪の言葉が口をついた。


    葛西
    「こんな部下を連れてきてしまって申し訳ない……」


    タロまる
    「職場が楽しそうだなって思います」


    葛西
    「いやもうほんと、やかましいばっかりでして……
     いい加減、派な大人になってほしいんですがね……こんな風に」


  • タロまる
    「編集長ともなると、言葉選びもうまいんですね……」


  • ユーザーインタビュー


  • 葛西
    「お受け渡しを先延ばしするようで申し訳ないのですが、先にインタビューの方をさせていただいてもよろしいでしょうか?」


    諸手続きが終わった後、葛西はそうタロまる氏に尋ねた。


    さつき
    (生殺しってやつですね……はやく百万円が欲しくて仕方ないでしょうに)


    あべしん
    (さつきさん、自分目線で話をしない!)


    タロまる
    「あ、あの……えっと、よろこんでお受けします」


    葛西
    「二人とも、本当に静かにして……」


    隅に追いやられた二人の会話にドン引きしつつも、インタビューについて快諾するタロまる氏。その表情に心からの申し訳なさを感じながら、葛西は最初の質問を切り出す。


    葛西
    「で、では始めさせていただきますね! まず初めに、今回のキャッチコピーについて。
    タロまるさんが『ガッツリード!!!』に込めた意味とは、何だったのでしょうか?」


    ※サイコミがガッツリードに込めた意味については「サイコミコラム・編集長だよりvol.1」を参照。


  • タロまる
    「えっと……単純な思い付きだったんですけど、「ガッツ」と「ガッツリ」、それに読むという意味での「リード」がかかってて、結構いいんじゃないかな、って思ったんです
    それでその、親に相談したら、導くっていう意味の「リード」にもかかってていい言葉じゃないかって言ってもらえて……
     それで、自信をもって応募させてもらいました」


    葛西
    「なるほど……じつにいい言葉だと思っています。意味もちゃんと考えられていて……
     タロまるさんは後ろの二人よりずっと大人だと感じました……」


    タロまる
    「そ、それほどでもないですよ……」


    葛西
    「今後、サイコミ全体として、たとえばキャンペーンなどで期待しているようなことは、ありますか?」

    タロまる
    「うーん……難しいかもしれないんですけど……
     夏休みとかの長期休暇の時に、先読みの値段が下がるとか、コインが貰える!!みたいなキャンペーンがあったら嬉しいなって思います。もっと沢山作品を読みたくて」


    葛西
    「なるほど! 検討いたします!」


    タロまる
    「よろしくお願いします(笑)」


  • 葛西
    「あまり長引かせるのもあれですので、次で最後の質問にしようと思います。
     ……ずばり、百万円の使い道は?」


    タロまる
    「……」


    その質問に、タロまる氏は一瞬だけ考える仕草をした。葛西は、次の発言を緊張の面持ちで待つ。もちろんそれは、後ろに控える二人も同様だった。


    タロまる
    「そうですね……」


    葛西
    「はい」


    タロまる
    「夏休みも近いので、そこで少しだけ使おうかなとは思ってます。でも、メインはやっぱり、貯金ですね。今後のために、しっかり使い方を考えようと思ってます」


    さつき
    (貯金……もったいない!)


    あべしん
    (もったいないとは真逆の行動だと思うんですけど……)


    葛西
    「貯金というのは良い考えだと思います。そこの二人にも見習わせたいくらいですね」


    タロまる
    「やっぱり、本来はなかったはずのお金なので、大事に使いたいなって思うんです。
     学校もアルバイト禁止だし……大学への進学費用に使ったりとかしたいなって」


    あべしん
    「本当に、しっかりと考えてるんですね……」


    タロまる氏の答えに、あべしんが思わず感嘆の声をあげる。葛西もまた、同様の感想を抱いていた。


    葛西
    「立派な考えだと思います。素晴らしい使い方かと」


    あべしん
    「俺もそう思います。高校生で進学費用のこととか、なかなか頭が回らないですよ……」


    さつき
    「まあ、俺もあべしんさんも、遊びに使っちゃいますからね……」


    葛西
    「インタビュー中に会話に入ってこないでってば!」


    葛西はたびたびインタビューに乱入する二人を一喝しながら、机の上に置かれた百万円に視線を落とした。タロまる氏は、想像をはるかに超え、この百万円にふさわしい人物だと感じる。今日、ここへ百万円を届けに来て、良かった……葛西はそう考えていた。


  • タロまる
    「あ、そうだ! 
    まさにこの百万円みたいに、自立した大人になるために使います!」


    葛西
    「自立……! 流石は『ガッツリード!!!』の生みの親! お見事です……!」


    自信のボケを拾ってもらえたことで感激した葛西が、大きな拍手をする。
    その拍手はあべしん、そしてさつきにも伝播し、タロまる氏のご自宅は拍手の音で満たされたのだった……

  • 受け渡し


  • ついに受け渡された百万円。これで、本日のミッションはすべて終了だった。


    さつき
    「それでは、お二方。最後に、記念撮影をさせていただきますね」


    並び立つ二人にカメラを向けたさつきが、掛け声を口にする。


    さつき
    「サイコミを――?」


    葛西タロまる
    「ガッツリード!!!」
  •  


  • 全てが終わり、タロまる氏のご自宅を後にする三人。
    ひとつの大きなミッションが終わったという実感が、彼らの心を満たしていた。


    さつき
    「いや~……無事、終わりましたね!」


    葛西
    「さつきがいなかったらもっとスムーズだった気がする」


    あべしん
    「確かに……」


    さつき
    「ひどい! 後半は真面目だったのに!」


    あべしん
    「真面目になってもあれが限界なんですね……」


    さつきの底を知ってしまったあべしんが、呆れた声を出す。それに対しさつきが食って掛かるが、慣れているあべしんはそれをすべて受け流していた。
    そんな二人に、葛西は上司として声をかける。


    葛西
    「とりあえず、反省会がてら飯でも食いに行くか!」


    さつき
    「奢りですか!?」


    あべしん
    「さつきさん、そういうところがダメなんですってば……」


    葛西
    「ま、まあ……奢るのはかまわないけど……
     反省会だからな? ちゃんと考えるんだぞ? 今後の目標とか……」


    さつき
    「目標……次は俺が百万円を手に入れることですかね! やっぱ羨ましかったし!」


    あべしん
    「俺の目標はとりあえず、さつきさんをコントロールできるようになることですかね……」


    葛西
    「さつきの制御はぜひともお願いしたいな……なにするかわからんから」


    新たな目標を定める二人を横目で見ながら、葛西は駅に向かって歩を進める。
    否、これは駅に向かっているのではない。サイコミの明日に向かって進んでいるのだ。


  • 葛西
    「明日からも、頑張るぞ――!!」


    あべしんさつき
    「はい!!」


    後ろを追いかける二人の返事を聞きながら、葛西は前だけを見ていた―――


    葛西
    「あ」


    と思いきや、葛西の足が、止まる。


    あべしん
    「え? どうしたんですか?」


    葛西
    「ゴメン……」


    ゆっくりと、二人の方を振り返る葛西。その手には財布。
    その中身を、葛西は二人にしっかりと見せる。


    葛西
    「財布、百円しか入ってなかった……」


    あべしんさつき
    「え」


    葛西
    「あ~……」


    財布の中身を確認し、肩を落とす葛西。彼の次の発言を悟った二人もまた、同じ言葉を口にする。


    葛西あべしんさつき
    「百万円、欲しいなぁ……」