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『明日カノ』トークイベントが最高だったんだが!!

『明日、私は誰かのカノジョ』イベントレポート企画

『明日カノ』トークイベントが最高だったんだが!!





『明日、私は誰かのカノジョ』初のトークショーイベントが行われました!
定員100名に多数の応募をいただき、当日参加できなかった人のためにイベントの様子を一部コラムに!

また、〝をのひなお先生のサイン入りキャラクターアイコン〟のプレゼントもありますので、ぜひ最後までコラムをお楽しみください!!







トークショーイベントの会場は新宿「LOFT/PLUS ONE(ロフトプラスワン)」。
お客さんも飲食可能で、当日は『明日カノ』限定ドリンクが販売されました。

ドリンクには限定コースターが付いてきました!


会場は100人のお客さんで満員!女性のお客さんが多い中、男性の姿も見受けられました。中には夫婦で『明日カノ』ファンだという方も!








をの先生&担当編集梅崎氏とお客さんとの距離も非常に近く、二人は緊張を紛らわせるかのようにハイボールを注文しトークスタート!

【明日カノはこう生まれた】

:梅崎さんとは、私がコミティアってイベントに初めて参加した時に出会いました。出張編集部で来てる梅崎さんを、イベントのスタッフさんだと間違えて声をかけちゃったんです。その時ちょうど自分で描いた漫画を持ってて、「読ませてください」って言われて、そうしたら「悪くないっすね」と言ってもらえました。そこから一緒に漫画を作ろうって話になり、今に至ります。


もっと詳しく知りたい人は、をのひなお先生のTwitter(X)で漫画も掲載されていますのでこちらをチェック!


:それがあって、レンタル彼女の話も最初の打ち合わせの時に出たと思うんですけど。



:出ました。何が描けるって聞かれた時に、百合って言ったら、「百合は俺分かんないからダメだ」って言われて、男女の話になったんです。それから会話が進んでいって「お金が絡んだドロドロした話を描くのが好き」って話になった時に、色々な職業や恋愛の話をしていたんですけど、どれも結構世に出てるジャンルだからなんか違う切り口でってなったんですよね……。なんでレンタル彼女になったんでした?


:レンタルおじさんを借りた経験があるって話からじゃなかったです?



:そうだ!借りたんですよ。なんで借りたかっていうと、コスプレイヤーの友達のカメラマンとして写真を撮ってた時期があったんですけど、ある時写真集の制作を手伝うってことになったんです。それでずっと一人で映ってる写真集もさみしいから誰か入れよう!ってなったんだけど、どっちも友達がいない!じゃあレンタルおじさんを借りよう!!って話になったのを覚えてます。そのレンタルおじさんにコスプレをしてもらって写真を撮ったって話をしたら、「レンタル彼女!」ってなった気がしますね。


:で、ネームがすごく早く上がってきて、それがすごいよかったんです。冒頭を読んで、これは売れるなって思ったんで「これで行きましょう」って言ったら、騙してるんじゃないかって疑われて(笑)。


:本当に申し訳ない(笑)。ネームを見せた後に、「この作品は映像化を狙います」って言われたので。まだ連載も始まってないのに映像化とか言ってるから騙されてるのかなと思いましたね(笑)。でも無事映像化できてよかったです。







【明日カノの制作について】
作品のリアリティを生み出すためにどのような取材をおこなっているか、お話しよろしくお願い致します。

:これさっき楽屋でも話してたんですけど、すごく難しいテーマだなと思っていて、頑張ってるとしか言えない……。



:どうやってって言われたら、頑張ってツテを作ってとしか言えないっていう……。



:最初は本当に手探りで、作品が知られるようになってからは楽になったんですけど、昔はもっと大変でしたよね?



:確かに作品が知られるようになってからは「こういう漫画描いてます」って言ったら、先方も知ってますって言ってくれるようになりましたけど、最初は「はぁ…なるほどぉ…」という反応でした。1章(『Killing me softly』雪編)と2章(『致死量の自由』リナ編)までは取材を入れずに描いて、今の最終章も取材を入れないで描いているので、3~6章は取材をして描いていましたね。


:2章まではをのさんの経験談で描いて、構成できてたんです。でも4章(『Knockin' on Heaven's Door』ゆあ編)からは本格的に取材しないと分からないってなって。4章の時はほぼ毎週のように歌舞伎町に行って、大変だった……。


:早朝とかに行ったり。



:そうそう。俺もそこで初めてホストクラブに行ったんです。すごいイケメンのホストに太ももを撫でられながら、「今日初めて?」ってささやかれて、すごい世界だなぁーと思って。営業熱心な方もいるんだなぁって。


:みんな営業熱心ですよね。



:でもそれまでは、をのさんの付き添いの人って感じで対応してもらってたんだけど、その人だけでしたからね、そこまで営業かけてくれたの。



:それでいうと「TRAP’」もありがたかったですよね。



:「TRAP’」はコロナの時で、2丁目のお店がどこも開いてないって時にダメ元で当たったら快く受けてくださいました。

作中で萌行きつけのゲイバー「TRAP'」




:5章(『洗脳』ルナ編)はどうでした?



:5章も大変でした…。



:歌い手さんとか配信者さんの取材が大変で、色んな人に話聞いたけど、書けない話もいっぱいありましたね。



:そうですね~。



6章 (『What a Wonderful World』エミ編) はどうでした?地方も含めて色んなスナック行きましたよね。あと一緒に占いも行ったり。



:行きましたね。一緒に行ったんですけど、梅崎さんが「占い師を目指しているお弟子さんですか」って言われてて、謎に占い師を目指してる人って見られてた(笑)。



:オンラインセッションも受けましたね。とにかく色々やってみたって話になっちゃいますね。まとめると。



:cali≠gari(カリガリ)さんもダメ元で当たってみたんですよね。cali≠gariさんは6章の時にライブに行って、参考までにと思っていたらすごく感動しちゃって、ライブ中に号泣しちゃったんですよ。163話でエミが泣いているシーンは自分もメチャクチャ感情移入できます。で、そこからダメ元で取材をお願いしたら受けていただけたっていう。


:メンバーの桜井青さんが読んでくださってたみたいで、ありがたかったです。



第163話でエミが友人のサチコと参加したcali≠gariのライブシーン。
2023年で30周年を迎えたヴィジュアル系ロックバンド。
年齢を感じさせないエネルギッシュなライブに、担当の梅崎氏も作中のエミも思わず涙した。












【作画のこだわりについて】

描いてて楽しくて、筆が乗ったのは6章のエミの回でした。エミのこのシーンは作中で1998年頃のイメージだったので、当時のその様子を私が知らなくて取材が大変でした。資料を集めたり、有識者の人に話を聞いたり確認してもらったりして。でも頑張った結果いいものが描けたと思っています。
                   
6章でバンギャの聖地だった神宮橋に遊びに行く、若かった頃のエミとサチコ。
エミが撮影に使っているのは、もちろんスマホではなく使い捨てのカメラ。





:キャラの見た目とかどうやって詰めていってるんです?



:前インタビューで答えたんですけど、ゆあはもともと金髪だったんです。黒髪と金髪の2バージョン用意して、人に聞いたり歌舞伎町の人達を見てみたりして、現在の黒髪に決めました。今になるとどれだけ他のキャラと被らないか、瞳の色や髪の毛の色、つり目なのかたれ目なのか、眉毛の形とか、今いないキャラを作ろうってなってどんどん選択肢が狭まってきちゃってますね。


:おじのビジュアルは?




1枚目から、正之(雪編に登場)・桧山(彩編に登場)・沼黒(ルナ編に登場)。
謎の人気を誇るおじ達だ。



:それ他の人にも聞かれて、普通にGoogleで「おじさん」って検索して描いてますって言ったら、それで描けるんだってビックリされて。「おじさん」の後にキーワードを入れると色んな人が出てくるんですよ。その中から特徴がある人を参考に描いてるって言うと驚かれちゃって、逆に私も驚いちゃいました。


:でも街中とかで見かけた人をモデルにしたりはしませんか?



:街中で気になる人がいてもずっと見ていられないし、いたとしても忘れちゃいます。Googleで画像で残ってくれるほうが描きやすいかな。



:逆にメインの女の子達のキラキラした今っぽい服装はどうやってキャッチしてます?



:それこそやっぱりGoogleじゃないですか?かわいいインスタグラマーとかいるじゃないですか。かわいい子は今こういう服を着てるんだなぁ、今こういう子が人気なんだ。じゃあかわいい子はこういう服を着て、こういうメイクをするんだなって考えてます。検索力が高いのかな?


:Googleの画像を見てもこっちはピンとこないから、渋谷とか新宿とかに足を運んで街並みを見て、実際にいるんだなってなったらOKという感じで詰めてましたね。



:街の特性って絶対あって、池袋・恵比寿・新宿・渋谷っていう系統があるよなぁって、街中の人達を見て思うので、それに寄せて作ることはしますね。





【をのひなおの価値観


:をのさんが思う幸せな女の子ってどんなのですか?



:私も幸せってなんなのか色々考えてて、答えはまだ出てないんですよね。



:地位、名声、金(笑)。



:すごいギラギラしてる(笑)。



:価値観って難しいけど。多分『明日カノ』に出てるのが、をのさんの価値観なんじゃないかなぁと思いますね。基本的に幸せを信じない。ちょっと歪んでますからね。



:でも私に歪みがなかったらこの作品は生まれてなかったと思うんですよね。



:それに関しては私も本当にそう思います。つまりまとめると?



:私は歪んでいる(笑)。



:あ、でも価値観でいうと最初の打ち合わせの時に話してた、お金に関するドロドロっていうのはすごく共感できたんですよ。っていうのも自分も連載立ち上げ当時すごくお金がなくて、数百万の借金があったので。お金はすごく大事だよねっていう話はしたと思うんですよ。


:私は借金したことはないんですけど、本当にお金がない時期があって。ATMって1000円からしかおろせないのに、口座に800円しかなかったんですよ。でも交通費の800円が今欲しいのに!っていう話を以前どこかでしたらインタビュアーの人に爆笑されました。
そんな二人が作ってる漫画です。


:幸せって色んな形があると思うんですけど、でも結局お金ってあるにこしたことはないよねって価値観は共有した上でのスタートなのかなって。










【参加者からの質問】

「をの先生が尊敬している漫画家さんとか影響受けたなって作品があれば教えてください。」


手塚治虫先生の『ブラック・ジャック』ですね。必ずしも善人が救われるわけじゃないし、悪いことやってる人間が甘い汁すすってたりするし。それって手塚治虫先生が生きてた時代から今までも変わってないんじゃないかなって。今読んでも変わらず面白い漫画だなって思います。



:あと、楠本まき先生とかも好きだよね。



:楠本先生の『致死量ドーリス』を高校生くらいの時に読んで感銘を受けて、「かっこいい!」と言って模写してました。あと、冨樫先生の『レベルE』も好きですね。




「先生が思う各キャラの長所と短所を教えていただければと思います。」


:それメチャクチャ難しいなと思ってて。これを描いたら読者さんは絶対嫌な気持ちになるなって思いはするんですけど、このキャラって絶対こういうこと言うんだよってなったらそこは曲げずに描いてます。でもその代わりいい面も描きたいんですけど、悪い面ばっかり描いちゃうクセがあります。
どのキャラもいい面・悪い面があるんですけど上手く言語化できないですね…。こういう所はいいんだけど、こういう所はダメだよねって自覚しながら描いてます。


:基本的にこの作品って、人間いいところもあれば悪いところもあるよねって作品なので。いい面は他者から見ると悪い面かもしれないっていう風に描いているので、長所短所で分けて描いていないですね。本来漫画っていいキャラはいいキャラ、悪いキャラは悪いキャラって分けて描いてて、悪いキャラにも悲しい過去があって――みたいにバランスとったりするんですけど、それを全編通してやってる。


「これは悪いキャラです」ってキャラを出すことに抵抗があって、各読者さんから見て悪いキャラっていると思うんですけど、100%悪い人っていないじゃないですか。大多数が悪いって思う人でもどっかでいいことしてるかもしれないし、誰かにとっては救いになった人かもしれないんで。そういう面は大事に描いていきたいなぁと思います。


:それがこの作品のリアリティになっているのかなとは思いますね。




「『明日カノ』はリアルな描写がすごく刺さる作品だと思いますが、をの先生自身ファンタジーの物語が好きとか、リアルからかけ離れた作品を描きたいって思ったりされますか?」


:最近Twitter(X)でも書いたんですけど『不滅のあなたへ』って作品を読んだんです。すごく面白くて、でもこういうファンタジーの話を描けるかって言われたら……。そもそもファンタジー描ける人をすごく尊敬してます。ファンタジーって0から世界観を構築するじゃないですか。私にその能力はないと思うし、描いたとしても作者何やってんだって言われちゃうと思うんですよね。でもすごく好きです。



「作家アイコンのうさぎが愛嬌があって好きです。あれってどうやって生まれたんですか?」


:Twitter(X)を始めた頃は、自分で描いた女の子にしてたんです。自分はそんなかわいらしい女の子じゃないんですけど、アイコン=中の人って認識の人が一定数いるらしくて変なツイートが来まして…。そこで卑猥な顔のうさぎにしてみたらそれが全然来なくなったので、それからあのアイコンをずっと使ってます。








【エンディング】


:お暑い中こんなに集まっていただきありがとうございました。感慨深いです本当に。



:リアルイベントが初めてで、来週大阪もありますけど、もしかしたらこれが最初で最後かもしれない。



:私は最初で最後だと思って臨んでます。このイベントの告知をサイコミで出した時、100人も集まるのかなって知恵熱出ちゃって。人が集まらないんじゃないかってずっと緊張してたんですけど、お越しいただきありがとうございます。


:もうそろそろ『明日カノ』が終わりを迎えますけど、次回作どうします?



:色々迷った結果Barでも経営して、漫画を描くのをやめた方がいいんじゃないかと思ったんですけど……。経営者の才能がないので、漫画をしっかり描きたいなと思ってますね。



:『明日カノ』がデビュー作で、ここまでおっきくなっちゃって、かなり絞りだしちゃったんですよね。



:そうですね。かなりアウトプットしちゃったんで、まだ何か出せるのかぁ?とは思ってます。













【お渡し会】
をの先生が来場くださった読者の方々に、直筆サイン入り複製原画を一人一人手渡し!

「『明日カノ』を読んで美容に目覚めました!」「人生のバイブルです!」「『明日カノ』のおかげで毎日がんばれてます」とイベントの興奮冷めやらぬ中、熱いお声がけをいただきつつ、キャラクター愛を熱心に語る方や次回作への期待を寄せる方々も多くいらっしゃいました。

































そして最後に、サイコミ読者に向けてコラム限定のスペシャルコメントをいただきました!


【イベントを終えての感想】

:普段会えない読者の方と触れ合えて、とても元気がもらえました。ネットで肯定的な意見をもらうことはあるんですけど、それとは違ったパワーがもらえました。そもそも会場に来ていただいている時点でありがたいのに、「毎週の楽しみです」と言ってくださったり、お手紙やプレゼントまでいただいてしまって…。直に「読んでます!」って言ってもらえることなんてないから、本当に嬉しかったです。

こういった読者さんと触れ合うイベントは、作家さんのためにも積極的にやった方がいいのでは、と思いました。読んでくれてる人がいるって確認できるのはモチベーションアップにもなりますし、読者さんは作家さんに聞きたいことが聞けるしでいいことずくめじゃないかなと思います。



【最終章への意気込み】

:今回のイベントで身が引き締まる思いでした。目標として最終章をキッチリ終わらせるってのがあったんですけど、より一層力を入れないとなと思いました。


【次回作について】

:「金曜日の更新を楽しみにしてるから終わるのツライ」って言ってくださる方がたくさんいまして。それを嬉しいって言っちゃダメなんでしょうけど、そう言ってもらえるくらい生活に組み込んでもらっているのは本当に嬉しいです。なので次回作もやっぱり金曜日をお願いしたいです。




【最後に】
コラムを読んでくれた読者さんへ・イベントに来てくれた、来られなかった読者さんへ。
最終回まで丁寧に描いていくので、最後までお付き合いいただければと思います。
今日会えなかった読者の方も、第二回やるかもしれないと話していたので、またその際にお話しできたら嬉しいです。

最後に『明日カノ』キャラアイコンを作ったので、皆さん使ってくださいね!





SNS用『明日カノ』キャラクターアイコンは以下の画像をタップ(クリック)してください。
(別ページが開くのでその先で画像を保存してご使用ください)














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